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卸売として商流に入る場合の売価決定について
2023/10/20 04:22
- 製造を本業とする企業が卸売として商流に入る場合の売価決定についてご意見を伺わせてください。
- 卸売として商流に入る場合の売価は、加工業者を協力企業から探し製造を依頼するケースでは付加される価値が限定されることが多いです。
- 売価を決める際には、図面チェックやアドバイス、加工協力企業のネットワークなどを付加価値として考慮することが重要です。
卸として商流に入る場合の売価決定について
2019/08/19 15:33
初めて質問させていただきます。
私は実家の零細町工場に転職して2年目の経理担当です。
技術一筋の経営者である父を経理や経営企画の面で支えながら事業承継の準備を進めております。
唐突ですが、製造を本業とする企業が卸売として商流に入る場合の売価決定についてご意見を伺わせてください。
当社は元来試作品や特注機械の設計屋で、現在ではコンサルティング・設計+部品調達+組立まで行い完成品を納入することを主な事業としています。
部品加工はほぼすべて協力企業へ外注です。
本業においてはコンサルティング・設計、組立調整等の付加価値を加味し限界利益率50~60%として売価を決定しています。
(設計担当者の労務費は固定費に算入)
つまり部品調達に50万円要する案件の売価は設計・組立調整含めざっくり100万円となります。
しかし昨今、顧客が作成した図面あるいは3Dデータの提供を受け、その部品の調達のみを求められることが増えてきました。
前述の通り弊社は加工をしないため、この場合加工業者を協力企業から探し製造を依頼することになります。
このような案件では付加される価値が、
1.図面・データのチェック、あればアドバイス
2.加工業者の選定、依頼
程度に限定されますが、こうした案件の売価はこれまで各担当者が“テキトー”に決めていたこと、またこれらの平均的な限界利益率が10~20%程度であることが判明しました。
担当者曰く「ウチが何もしていないのにそんなにお金を取れない」という顧客目線(?)で消極的かつ感覚的な意見です。
(「担当者」といっても社長と取締役営業部長という本来経営感覚を求められるべき2名なのですが…)
元ソフトウェア営業の私の感覚では、年間売上8千万/社員5名(設計営業2技術1業務2)程度の規模の弊社で利益を維持するには少なくとも35~45%程度の粗利が必要であり、図面チェックやアドバイス、そして創業以来歴史の中で培った加工協力企業とのネットワークはそれ自体を付加価値として売価に反映すべきであると考えています。
しかしながら畑違いでモノづくり業経験も浅い経理の視点だけではもしかすると見当はずれなのか…という不安もあります。
そこで、製造業の皆様が卸売として商流に入る場合の売価決定のロジックや粗利率について、事例や実情を教えていただけないでしょうか。
経営ノウハウの根幹について安易に他者に意見を求めるべきでないと迷いましたが、取引先に聞くこともできずこちらでご相談した次第です。
諸先輩方のお考えをご教示いただければ幸いです。
回答 (3件中 1~3件目)
付加価値云々という観点は勿論重要ですが、設計畑の『技術料』は中々相場も決めにくいものです。なので、工数ベースで算出して乗っけてしまうのは一つの方法です。
「図面チェックやアドバイス」と表現すればそれまでですが、あまり技術力のない所が書いた図面をチェックし適切な提言をするにはやはり時間がかかります。
逆にしっかりと書かれた図面であれば、加工業者へのスライドになりますから時間はかかりません。リピート品などもそうですね。
逆に3Dデータのみの提供で、一から図面を起こすとなれば中々の時間がとられるでしょう。
この辺りを基準にして見込み時間を算出し、適当な利率を乗っければいいと思います。
ただこの場合御社の「保証範囲はどこまでか」も注意が必要です。仮にアドバイスした製品で、設計不良による不具合が発生したとき、その責任はどこにかかるのか? という部分ですね。
この部分もきっちり責任を取るというなら、つまりアフターケアも対応するならしっかりと価格を乗せましょう。
あくまでアドバイスに留まる、というスタンスならそれなりの価格にしましょう。
というかこの辺りも含めて価格表を一発制定してもいいと思いますけどね。図面ノーチェックならいくら。公差設計ならいくら。構造面の検討ならいくら。アフターケア不要なら××%ダウン、のような形で。
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結局は、競合相手との競争でしょうね。つまり原則はない
競合がないのであれば、ユーザーが許容できる範囲で暴利でもいい。
市場原理に基づく売価設定にして、損益分岐点に達しないなら
(1)業務効率を上げる
(2)サービス体系を見直す
必要があるでしょう。固定した売価というのは幻想だと思います。
(まあ官公庁みたいな継続入札とかなら話は別だとは思いますが)
(1)ならば、データチェックの自動化、業者選択のテンプレート化
ある意味データを右から左に流すだけでチェックと最適化だけを行うので
効率化することで薄利多売でも収益が得られる可能性があります。
(業者の信用度評価とか抱える人員の工数割当とかの問題も生じますが)
(2)ならば、多部品の組み合わせで受注すると売価割引するとか
期限有効ポイントみたいなものを発行して
継続発注ユーザーはポイントから補充できるようにするとか、いろいろな手はあるかと。(固定費を売価で回収しようとしているという仮定での話です)
お礼
2019/08/19 18:55
ご回答ありがとうございます。
利益改善の具体的な施策までご提案頂き、身が引き締まる思いです。
やはり、単純に顧客作成の図面やデータ(加工難易度も低い)に基づいて加工依頼先を探すという、いわゆる”調達の分野においては昨今ITの発展が目覚ましく、近い将来極限まで効率化されるであろう受発注プラットフォームサービスに完全に淘汰される可能性が高いと考えています。
ご教示いただきましたアドバイスから、我々はそのようなサービスとは競争せず逆にサービスの利用者に回るなど、本業の付加価値が発揮できない案件に割くリソースを限りなく削減しなければならないと感じました。
とは言え、顧客の様々な事情により当社が値付けをしなければならない場面は今後も発生すると考えられますが、その売価決定においても結局は「原則はない」に落ち着くのかな、と思い始めています。
大変参考になる回答ありがとうございました。
取引先も無知ではありません。
自分が発注してる加工費は把握してますから、あなたが利益をどれだけ乗せたかは把握してます。
非常識な利益を乗せると取引を切られますよ、どれだけ利益を乗せるかは自社の都合でなく業界の相場を逸脱しない範囲で自社の強み分を加味する物です。
同業から相場を聞き出し自社の利益を想定するのが良いでしょう。
業界も判らず、加工様子も判らず、あなたの社がどんな付加価値を付けてるかもわからず、助言のしようが無いと思います。
補足
2019/08/19 16:39
回答ありがとうございます。
出来るだけ丁寧に記載したつもりでしたが正確にお伝えすることができず申し訳ありません。
>非常識な利益を乗せると取引を切られますよ、どれだけ利益を乗せるかは自社の都合でなく業界の相場を逸脱しない範囲で自社の強み分を加味する物です。
全くおっしゃる通りで、私もその認識でおります。
>同業から相場を聞き出し自社の利益を想定するのが良いでしょう。
その一環としてこちらで情報が得られれば、という安直な考えでした。すみません。
少ないながら、お付き合いのある同業他社は直接の競合でもあるので、そのようなところに直接聞くのは聞き方によらず失礼に当たると判断しました。
>業界も判らず、
医療機器や新製品にの試作開発、各種実験用装置の製造、その他治具や特注機械の製造等において、設計コンサルティング~設計~製図~部品調達~組立調整~納品までを行う、といったところです。
強いて業界と言えば「機械試作設計開発製造」とかになるでしょうか。
その中で時おり「このパーツを作れないか」と単品の図面やデータの提供を受けることがある、という形です。
>加工様子も判らず、
当社では加工をしません。
また、質問のような依頼は特定の素材や加工で発生するわけではないです。
樹脂の切削やチタンの五軸加工など様々です。
このご指摘は逆に言えば、加工の様子が分かるもの(汎用フライス、旋盤等)であれば相場が分かりやすいため売価決定の条件となる、と考えると大変参考になると思いました。ありがとうございます。
>あなたの社がどんな付加価値を付けてるかもわからず、
〈コンサルティング・設計、組立調整を含む本業における付加価値〉
・顧客のアイデアや機能要件を満たす構造の考案、提案
・機能要件を満たしつつ安価に実現可能な図面への落とし込み
・組立調整まで一貫して対応
〈卸の場合にも共通する付加価値〉
・幅広い素材、加工方法をカバーし高い技術を持つ加工企業との協力ネットワーク
・それら協力企業への発注、交渉、技術的検討を全て代理するサービス
この辺りが我々の提供する価値です。
お礼
2019/08/20 09:29
ご回答ありがとうございます。
価格表制定のご意見を受け、やはり一つ一つの案件においてどんな付加価値を提供しているか適度に細分化し、付加価値額(粗利)を段階的に乗せるのが適切かと感じました。
費用の回収に係る工数と時間単価については計算が可能ですが、その他の価値、例えば顧客が直接取引できない加工業者へ弊社がアクセスできること等は正に”付加価値”であり計算根拠もないですので、会社ごとの経営感覚において算出すべきなのかな、と考えております。
ありがとうございました。