このQ&Aは役に立ちましたか?
炭の燃焼で鉄を融解させるメカニズムとは?
2023/10/19 19:36
- 炭の燃焼で鉄を融解させる理由を解説します。
- 炭の燃焼温度は約1000℃ほどであり、鉄が融解する温度は約1500℃程度です。
- しかし、たたら製鉄や反射炉では、鉄は炭の燃焼によって融解します。なぜでしょうか?
なぜ炭の燃焼で鉄を融解させることができるのか
2018/05/30 17:32
炭の燃焼温度は、約1000℃ぐらいで鉄が融解する温度は、1500℃程度です。なのにたたら製鉄や反射炉では、鉄は、融解します。
炭がいくら燃焼してもその温度が1000℃ならばそれ以上に温度が上がることは無いと思うのですがなぜ鉄が融解するのでしょうか?
回答 (8件中 1~5件目)
このQ&Aは役に立ちましたか?
この質問は投稿から一年以上経過しています。
解決しない場合、新しい質問の投稿をおすすめします。
No.6 ohkawa3 さんの回答は正解と思います。
私の知るところを少し付け加えますと、江戸時代から作られていた南部鉄器などの家庭用鉄製品は、鋳鉄(鋳物)を木炭で融解して鋳造されていました。これらのいわゆる鋳物は 1200℃程度で融解し、木炭の火に「ふいご」と言われる送風装置で十分空気を送ると 1300℃程度まで温度が上がるので、十分融解できます。
転炉は、炉の構造の工夫で放射熱が素材に集中するようになっており、もう少し温度が上がりますが、1500℃までは上がらないようです。それでも鋳鉄の炭素含有量を低下させて、鋼鉄を作ることはできたようです。実用的には炭素含有量低めの鋳鉄で大砲を作った程度のようです。
たたら製鉄は、前の方の回答にありますように、半融解状の鉄のうちから炭素含有量の少ない部分を選び出し、赤熱鍛練をすることで、鋼鉄に仕上げたもののようです。
以前、テレビ番組で、刀鍛冶の方が鉄製品のスクラップから、七輪(木炭コンロ)で、鋼鉄を作る作業をしているところが放映されたことがあります。鉄がドロドロに融けるわけではないのですが、木炭コンロに乗せた鉄の一部が溶け落ちて、鋼鉄の小さな固まりが、底に溜まっていました。それらを集めて赤熱し叩いて塊にし、小さな刃物を作っていました、実に不思議な光景でした。
鉄の性質をうまく利用して、ぎりぎりの温度で、鋼鉄を作る方法があると言うことだと思います。
純鉄が溶けるのは1535℃と言われていますが、炭素を含む鉄はその含有率に応じて、1150℃程度まで融点が低下します。
http://jfs.or.jp/question/fe-c%e7%b3%bb%e7%8a%b6%e6%85%8b%e5%9b%b3%e4%b8%ad%e3%81%ae%e8%a8%80%e8%91%89%e3%81%ae%e6%84%8f%e5%91%b3%e3%82%92%e6%95%99%e3%81%88%e3%81%a6%e3%81%8f%e3%81%a0%e3%81%95%e3%81%84%ef%bc%8e%e5%b9%b3/
また、炭の燃焼で温度を上げる「たたら製鉄」では、完全溶融状態まで温度を上げるのではなく、半溶融状態で鉄のに含まれる不純物を取り除く操作が行われたようです。
近代科学の割り切った説明とは少々距離のある、絶妙な条件で製鉄が行われていたようです。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/tetsutohagane1955/84/10/84_10_715/_pdf
燃焼で物質によって決まっているのは温度ではなく、単位質量あたりの発熱量上限です。
ですので周囲の断熱能力や反応の為の酸素供給量などで燃焼温度は大きく変わります。
特に個体の燃焼で顕著です。
炭の燃焼温度が約1000℃というのは大気の自然対流で酸素を供給する場合の温度と思います。
ふいごなどで空気を強制的に送り込むと燃焼が激しくなり、更に高温になります。
多分2000℃位は出ていると思います。