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アルミ鋳造材の基礎的内容
2023/09/06 20:18
- アルミ鋳造材の基礎的内容についてご説明します。α-AL固溶体や共晶について理解することが重要です。
- AC4CHの状態図で、Si以外の合金元素はαでまとめられ、ALに対するSiの比率で表現されます。
- AC4CHでは共晶、亜共晶、過共晶によって組織が異なりますが、その違いについて説明します。
アルミ鋳造材の基礎的内容
2018/02/05 10:17
AC4CHアルミ鋳造関連の文献を見ていますと、「α-AL固溶体」や「共晶」といった記載がよく見受けられます。
今だ理解できずにいる点についてご教授頂けると助かります(イメージができないのです)。
(1)α-AL固溶体は「AL中に他の合金元素が溶けこんでいる状態」との説明がありましたので、αはおそらくAL以外の他の合金元素のことを指していると思います。そこでなのですが、AC4CHの平衡状態図では、横軸はALに対するSiの比率をあらわしている訳ですが、なぜ他の合金元素、例えばMg等との状態図が見当たらないのでしょうか?。なぜAC4CHにおいては、Si以外の合金元素はαでまとめられ、ALに対するSiの比率による状態図でのみ表現されるのか、どうもわかりません。
(2)AC4CHにおいて、共晶点を境に、亜共晶、過共晶と区別されると思いますが、端的に何が異なってくるのでしょうか?
(3)AC4CHにおいて、ミクロ組織に、Mg2Siといった金属間化合物ができて強度アップに繋がるようですが、Siとの共晶は強度を低下させるようです。
AL-Cu系などでもCuとの共晶は強度低下に繋がると思うのですが、共晶も金属間化合物であり、強度アップに繋がらないのはなぜでしょうか?
何卒ご教授の程、宜しくお願い致します。
質問者が選んだベストアンサー
(1)の回答。
αは合金元素のことではなくAlの結晶構造を示している。「α-Al固溶体」とは「α-Alの結晶構造を保持したまま他の元素を固溶しているAl」のこと。
探せば「Al-Mg」状態図も「Al-Si-Mg」状態図もある。AC4Cの主要合金元素はSiとMgだから、相状態を示すには「Al-Si-Mgの3元状態図」の方が正確である。しかしSiに比べてMgは少量であり、相状態はAl-Siの2元状態図で概ね説明できることから使われている。
(2)の回答。
共晶では2つの相が均一、微細に混合した組織になっている。組成が共晶からずれると、まず溶融合金から「初晶」が「晶出(金属学では析出と晶出を使い分ける)」し、残りの部分が共晶になり均一、微細な組織にならない。Al-Si系で過共晶になると粗大なSiが初晶として晶出するため、材料は脆くなって実用材料としては使用できない。亜共晶での初晶はAlであるため用途によっては使用できる。
(3)の回答。
Mg2Siは熱処理により析出する微細粒子であり、転位の動きを阻害することにで強度向上に寄与する。
共晶は混合組織であり金属間化合物とは全く異なる。転位の動きを阻害できるのは光学顕微鏡では見えにくい程度以下の微細粒子であり、共晶組織にはそのような効果はない。
Siは最も硬い焼入鋼と同等の硬さがあり(耐磨耗性向上)、極めて脆い。
「デンドライトが生成していくと、・・・違っていますでしょうか?」
違っていません。その通りです。
「同じ共晶でも微細な組織にある場合とならない場合があるということだと思いますが、これはなぜでしょうか?」
「初晶+共晶」組織になるために均一、微細ではなくなるのであって、共晶組織そのものには違いがあるのではありません。
「Mg2Siはα-Al固溶体に生成するというのか、デンドライト自体に生成するのか、どう考えたらよいでしょうか?」
初晶のα-Al固溶体がデンドライト状に晶出します。デンドライトとは相の形態についての呼称であって、組成や元素とは無関係です。共晶はα-Al固溶体とSi相の混合組織です。
Mg2Siはα-Al固溶体から析出し、Si相からは析出しません。
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その他の回答 (2件中 1~2件目)
合金と化合物 を 理解してないから こんがらがってるのでは?
化合物は規則正しく原子が並んでいる
結晶構造がきれい
合金は正しく並んでない
図
http://www.j-imono.com/images/column/daredemo/15/fig_01.gif
図元
http://www.j-imono.com/column/daredemo/15.html
なぜシリコンを加えたりすると 熱膨張率が抑えられており、また耐摩耗性も付与されるのかは エロい人でもわからないのでは
入れてみたら できたというのが合金の世界
お礼
2018/02/08 17:46
ご回答ありがとうございます。
基本的なところが抜けておりましたが、端的に言っていただき助かりました。
お礼
2018/02/09 09:21
ご回答ありがとうございます。
(1)については十分に理解することができました。ありがとうございます。
(2)「溶融合金から「初晶」が「晶出(金属学では析出と晶出を使い分ける)」し、残りの部分が共晶になり均一、微細な組織にならない」とご回答頂きましたが、質問させてください。
初晶が晶出するということはデンドライトが生成し、これは純Alであると思います。デンドライトが生成していくと、残液中に対して他の元素の濃度が上がっていき、結果、共晶になる成分割合となり、共晶が生成すると捉えていますが違っていますでしょうか?(イメージをしっかり持ちたいのですが・・・)。
最初に「共晶では2つの相が均一、微細に混合した組織になっている」と仰られていますが「残りの部分が共晶になり均一、微細な組織にならない。」とありますが、同じ共晶でも微細な組織にある場合とならない場合があるということだと思いますが、これはなぜでしょうか?
(3)「Mg2Siは熱処理により析出する微細粒子であり、転位の動きを阻害することにで強度向上に寄与する」とのことですが、Mg2Siはα-Al固溶体に生成するというのか、デンドライト自体に生成するのか、どう考えたらよいでしょうか?
基本的なところで申し訳ございませんが、ご教授頂けるとありがたいです。
お世話になります。
お蔭様でよく理解することができました!
いままでいろいろ文献を見てきましたが、ずっとイメージができずにくすぶっていましたので、本当に助かりました!
ありがとうございました!