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浸炭の前処理温度について
2023/10/19 16:44
- SCM415の浸炭焼き入れ前には、880℃で空冷した焼ならしを行います。
- 浸炭温度は920℃で行われます。
- 焼ならし温度の高さによって、浸炭後の変形に影響があるのでしょうか?
浸炭の前処理温度について
2017/08/25 19:04
SCM415の浸炭焼き入れをする前に、前処理で焼ならしを880℃空冷でしております。
浸炭温度は920℃です。
焼ならしは、JISでは850℃~900℃となっております。
焼ならし温度の高さによって、浸炭後の変形に影響があるのでしょうか?
回答 (2件中 1~2件目)
1.質問への回答。影響はありません。
2.追記内容へのコメント。
焼ならし処理により結晶粒を均一にすることは良好な浸炭組織を得る効果があります。また焼きなましを機械加工後に行えば、加工応力を除去し浸炭処理時の変形を軽減する効果もあります。低温焼なましは加工応力の除去の効果はありますが、結晶粒の均一化の効果はありません。
回答(1)の「焼きならしの効果はなくなるとのことです」というのは前質問(No.40580)回答(2)に対する引用説明であり、浸炭に対して焼ならしが何の効果も無いと言っているのではありません。
3.補足説明--浸炭により変形する理由。
浸炭は油冷、つまり焼入ですから当然焼入変形が起こります。機械加工やSBなどによる応力が残留したままで浸炭処理をすると、浸炭時の加熱工程での変形が助長されるので、浸炭前に除去しておくことは変形の軽減の効果があります。
しかし変形に寄与する最も大きな要因は急冷(油冷)時の変形であり、この変形に対しては浸炭前の応力除去は効果はありません。
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浸炭前の焼きならしの効果については、2012年10月のご質問に対して、
専門家の黒猫さんがご回答になっていらっしゃいます。
焼きならしに得られた組織は、より処理温度の高い浸炭によって消滅する
ので、単純に考えると、焼きならしの効果はなくなるとのことです。
焼きならしに期待する効果は、浸炭工程の昇温過程で起きる変形を低減さ
せることを説明なさっています。また、焼きならしに代えて低温焼きなま
しでも同様の効果を期待できることを記載しています。
上記の内容から考えると、焼きならしの温度の差が、浸炭後の変形に
与える影響は小さいものと想定できます。
もう少々正確に考えるには、
焼きならし前の機械加工によって、どの程度の応力が残留しているか、
浸炭(焼入)後にどの程度の変形が許されるかを考慮する必要がありそう
に思います。
お礼
2017/09/01 15:35
ありがとうございました。
お礼
2017/09/01 15:34
ありがとうございました。