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溝内面の窒化処理後のスケール除去方法
2023/10/19 11:42
- 窒化処理後の溝内面のスケール除去方法についてのアドバイスをお願いします。
- 溝内面のスケール除去にはバレル研磨を検討しましたが、上手くいかず、他の方法を探しています。
- 省力化を考えているため、人が付きっきりにならないスケール除去方法を教えてください。
溝内面の窒化処理後のスケール除去方法
2015/08/11 11:43
φ15×30の円柱曲面に3×20のトオシ溝を加工したワークを窒化処理しています。トオシ溝の一端は円柱平面に抜けています。また、材質はS45CN/SCM435Hです。
窒化処理後に溝内面のスケールを除去する必要があり、現状は少量生産のため手磨きで対応しています。溝加工時の面粗度がRyで3S程度で、スケール除去後の面粗度も同程度を目指しています。
将来の大量生産を見据えた省力化のため、バレル研磨を検討したのですが、研磨石が軽すぎて削れない、溝に詰まってしまうなどして上手くいっていません。できるだけ人が付きっきりにならずにスケール除去する方法について、アドバイスを頂きたいです。
質問者が選んだベストアンサー
「スケール」とは酸化スケールのことでしょうか。
なぜ窒化処理後の表面にスケールが生成しているのでしょうか。
窒化処理では酸化スケールは発生しないはずです。
もしかしたら酸化物ではなく、化合物(窒化物)層のことでしょうか。
だとしたら回答(2)のように、化合物層ができにくい処理条件にすることが考えられます。
特にイオン窒化はガス比と温度を広い範囲で調整できるため、化合物層をほとんどなくすことができるはずです。うまくすると面粗度をほとんど変えることなくできる可能性もあります。
思い出してきました。
ガス窒化材の肌はくすんで粉っぽい黒色で、金属肌は全く見えず、指でこすると指が黒くなる。
一方イオン窒化材の肌はややくすんだ金属色で、処理前の加工肌(ツールマーク)が見えている。指でこすっても何も着かない。「スケールが着いている」と言う感じとはほど遠い。
今回の処理は本当にイオン窒化なのだろうか。
ダイカスト型の溶損対策としてはガス窒化肌の方が優れている。
一方耐ヒートチェック性はイオン窒化肌の方が優れている。
耐凝着摩耗性はガス窒化肌の方が優れている。
化合物層の下にある拡散層の硬さは、表面近くで700-800Hv程度あったと思う。
化合物層は簡単に除去できるが、下地つまり拡散層が荒れてしまっていると、それを研磨で3Sに戻すことは大変だし、研磨すると硬化層を少し落としてしまうのだから窒化処理の効果も低下してしまう。
最良の方法は面粗度を落とさない条件で窒化し、研磨はしないこと。
ガス窒化では下地が荒れてしまうが、イオン窒化ならば下地を荒らさずに処理することは可能。条件選定に際しては、窒化処理の目的(拡散層の必要硬さレベル)も考慮することが必要。
やはり研磨レスがベストと思いますが、色々な事が考えられる課題です。
処理条件。
大型設備で他製品と同装処理していると条件変更は難しい。小さい炉を持っている処理メーカーを探すか。
NDK(日本電子工業)にラジカル窒化を依頼する方法もある(多分小さい炉を持っている)。なおラジカル窒化は、内熱ヒーターを持っていることを除くとイオン窒化とほぼ同じ。
摩耗条件。
多分窒化層表面に密着した化合物層(1~数μ程度)ができている。それが「割れる」ということは衝撃があるためか(マイルドな条件ならば割れないと思うが)。
処理方法。
窒化処理化合物層は硬さが1000~1200Hv程度と高いため脆い。研磨の目的が脆い化合物層の除去だとすると、やはり処理条件変更が望ましい。
さらにもう少し「靱性」のある耐摩耗用硬質層が得られる表面処理に変更することも考えられる。この点になると小生よりも他の回答者の方が詳い。
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その他の回答 (5件中 1~5件目)
とあ~るベアリングメーカーの質問工程を含めた設備設計をしていますが、それでも理解が
できないことが多く。難儀しております。
さて、本題ですが、直近内容のアドバイスは出てこないし、この種のノウハウがでてくる
こともないと考えます。
ですから、解決手段はオーソドックスに、不具合対策を魚の骨方式等に纏め、貴殿又は
貴グループで対応策をカット&トライ方式にて試行し、有効な手段を纏め、トータルでの
対応がよろしかろうと思います。
径の大きさ、溝の大きさ、研磨の回転数、砥石の摩耗に対する再調整の考え方、等々でも
傾向が途中で逆転したりしますから、貴社独自でまとめていってください。
それが、大量生産の省力化を進める第一歩です。
そして、一テーマのシンプルな質問に対するアドバイスの内容に変更した方が良いと考えます。
セット基準金具をシンプルに且つ短くするだけでも、内容が全く異なりますよ。
お礼
2015/08/13 08:40
回答ありがとうございます。
他の方より教えて頂いた加工方法を含め、カット&トライで解決していこうと思います。
人の苦労を考えずに設計するとこうなる
某所でクランク穴のバリ取り器を設計開発してたが
そりゃもう悲惨な状況でした
↓見たいな物を開発してた
量産なら
http://www.macoho.co.jp/wetblast/about.html
が使えると思います
少量なら
ベビールータの軸を縦割りにし
そこにペーパーを回転方向に巻きつけます
それで溝の中で回せば
砥石よりは簡単に取れると思います
ペーパーがえんしんるおふで広がりええ塩梅でけずってくれます
お礼
2015/08/11 21:13
両方法とも参考になりました。
回答ありがとうございます。
磨きの無人化はかなり難しい。
現在はガス窒化と思いますが、イオン窒化、ラジカル窒化にすれば面荒れは少なくなります。
http://www.ndkinc.co.jp/j2.html
窒化処理後の表面粗さの比較
.
イオン窒化もやりすぎれば面荒れが・・・深さ硬さの勘案を
ダメなら磨きの難しさが増すことになります。
磨きに万能選手は無く金型メーカはそれぞれのやりかたで苦労。
自動装置として、砥粒を粘土状にして流動させるエクスツルードホーン
http://www.kennametal.com/ja/products/precision-surface-management/machining-processes.html
http://askacompany.co.jp/ibutsu/kenametalu.html
大掛かりで高価なので中古機械も
http://www.zenkiren.net/machine_detail.php?m=34166
金型磨きに一般的な砥石を往復動する器具。側面は往復動が容易で磨きやすいが底面はやりにくい。
http://sanwashoko.co.jp/sanwaweb_j/product/kenma_j/mainlap75r_j.html
金型ほど磨かなくともよいなら短時間で済むが、程度がバラツキやすい。
お礼
2015/08/11 14:59
回答ありがとうございます。
現状イオン窒化です。
窒化方法を変えるという手段もあるのですね。
理想のイメージとしては、'スケール除去装置にワークをセットして走らせている間に、加工者は他の作業をしている'といった環境です。
私も無人化は正直難しいと思いますので、できるだけ省力化できる方向で検討しようと思います。
追記ありがとうございます。
AFM用メディアに興味を持ちました。
窒化面を研磨できるのか、仕上がりはどうか。
早速問い合わせてみます。
シャトル洗浄機という、流体を往復させることで洗浄する装置があります。
一定の排出時間があるので汚れはその際に排出されます。
流体は中性液は勿論のこと、酸性液やスラリーも大丈夫です。
シャトル洗浄機のご紹介
https://www.youtube.com/watch?v=MrtwekZFANM&feature=youtu.be
シャトル洗浄機 vs オイルクーラー1
http://www.youtube.com/watch?v=Gk3oG5fhOG4&feature=youtu.be
シャトル洗浄機 vs オイルクーラー2
http://www.youtube.com/watch?v=s8fhIJovrhI&feature=youtu.be
シャトル洗浄機 vs クーリングジャケット
http://www.youtube.com/watch?v=T1p-pEMU1LI&feature=youtu.be
シャトル洗浄機 vs バレル1
http://www.youtube.com/watch?v=klsdLeOf31U
シャトル洗浄機 vs ホッパ―下1
http://www.youtube.com/watch?v=yLkr9Cu3Yi8&feature=youtu.be
シャトル洗浄機 vs 射出成形機1
http://www.youtube.com/watch?v=uoH93j_iLYA&feature=youtu.be
シャトル洗浄機 vs 金型4
http://www.youtube.com/watch?v=FfJtuPDVpKM
シャトル洗浄機vsフィン型オイルクーラー3
http://www.youtube.com/watch?v=cLmvQQPCTfQ&feature=youtu.be
シャトル洗浄機vsオイルクーラー4
http://youtu.be/vpV8hzBjTTc
シャトル洗浄機中型
http://youtu.be/1yxCGpbVXOk
シャトル洗浄機 vs オイルクーラー.チラー
http://youtu.be/8Luk2LURCt0
シャトル洗浄機 vs オイルクーラー.金型
http://youtu.be/aaNrbFi_KkA
シャトル洗浄機 vs. 完全に閉塞した冷却水配管
http://youtu.be/fPioTqW48TY
2日間という長時間をかけて完全閉塞した冷却水配管を復旧させました。
洗浄剤と水に見る洗浄効果の違い
http://youtu.be/YbAprxPbBUk
シャトル洗浄機vs. 空調機(製紙業)
http://youtu.be/i75B6LFfp-U
お礼
2015/08/11 13:49
早速の回答ありがとうございます。
配管内のスケール除去を主用途とした洗浄機のようですね。
今回のワークに対しては、そのまま使うのは難しそうです。
お礼
2015/08/11 21:00
回答ありがとうございます。
スケール=化合物層のことです。
まずは現状より化合物層を薄く調整できるか問合せてみます。
追記ありがとうございます。
処理条件の調整については、現実的には難しいそうです。
化合物層をゼロにすることもできません。
最初の質問投稿時に伝えきれていなかったところなのですが、
溝内面は金属同士の摺動面となります。摺動を繰り返すうちに脆い化合物層が割れて粉となってでてくると、粉が製品内部へ散らばって、摩耗や動作不良の原因となるため取り除く必要があります。もちろん拡散層はできるだけ残したいため、研磨量はできるだけ抑えたいです。面粗度目標についても、端に面粗度計の数値で3Sではなく、手で触ってツルツル(ツールマークの凹凸をハリサキで撫でて感じない)している3S程度を目指しています。説明が不足しており、すみません。