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炭素鋼の熱処理についての疑問
2023/10/19 07:28
- 炭素鋼(S45C)の標準組織写真集を作っていますが、組織の違いが分からないトルースタイトとソルバイトについて教えてください。
- 炭素鋼の熱処理によって、水冷=マルテンサイト、炉冷(焼きなまし)=荒いパーライト、空冷(焼きならし)=加熱温度によって結晶粒が異なることがわかりました。
- 組織や熱処理方法を写真集にするための参考になる組織や熱処理方法などがあれば、アドバイスをお願いします。
炭素鋼の熱処理について質問します
2014/12/24 19:49
炭素鋼(S45C)の標準組織写真集を作っているのですが、水冷=マルテンサイト、炉冷(焼きなまし)=荒いパーライト、空冷(焼きならし)=加熱温度によって結晶粒が異なるところまでは実際にやってみて顕微鏡よりわかったのですが、トルースタイト、ソルバイトを見たいのですが組織の違いが分かりません。違いを教えてください。
また、写真集を作るのにあたり見たほうがよい組織・熱処理方法などあればアドバイスをください。
回答 (1件中 1~1件目)
「トルースタイト、ソルバイトを見たいのですが組織の違いが分かりません。違いを教えてください」の意味が明確ではありませんが、
(1)「(教科書通りの熱処理をして)トルースタイト、ソルバイトを(実際に作って顕微鏡で)見(てみ)たのですが、その違いが分かりません」の場合。
その通りで、ネットで探せば組織写真例は見つかると思いますが、その差を明確に言葉で現すのが難しい。いずれもマルテンサイトを焼戻すことにより得られる微細パーライト組織ですが、焼戻温度が高いほど「フェライト+凝集(塊状)セメンタイト」に近づくので、並べて比較してみないと判別は難しいものです。
100℃から100℃おきに700℃までの7種類の焼戻を行い、その組織写真を並べて比較するのが判りやすいと思います。
なお通常200℃までは油加熱で処理できますが、300℃以上は電気炉になります。炉内は暗くて放射熱は全く期待できず熱伝導だけになるため、試料温度が上がりにくく、試料が所定の温度になっていることを確認することが必要です。質問の処理では焼戻温度が正確でなかったために、組織の差が小さかった可能性もあります。
(2)「トルースタイト、ソルバイトを見たいのですが、(それらの)組織(の作製方法)の違いが分かりません」の場合。
上記方法で300~400℃焼戻がトルースタイト、500~600℃がソルバイトです。
なおトルースタイトには焼入で生成する結節状のものがありますが、焼戻では結節状のものはできません。
「写真集を作るのにあたり見たほうがよい組織・熱処理方法」。
写真集を何に使うのかで異なります。
基礎知識とし特殊鋼の標準組織全般を示すのならば、各種特殊鋼の標準熱処理組織を並べることになります。
現場の組織検査員の教育用ならば、現場で使用する鋼種に絞り、正常熱処理組織だけではなく、失敗(異常)熱処理、材料寸法や焼入冷却条件による組織の違い、などを取り上げた方が良いと思います。
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お礼
2015/01/08 18:14
貴重なご意見ありがとうございます。
アドバイスを参考にさせて頂きます。