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サブゼロ急熱法とは?効果や残留応力除去効果について解説
2023/10/19 07:17
- サブゼロ急熱法は、熱処理の一種であり、残留応力の除去に効果的です。
- サブゼロ急熱法では、物質を低温状態に冷却した後、急加熱することで圧縮残留応力を発生させます。
- この圧縮残留応力により、引張残留応力を抑えることができ、経年変化を防止する効果があります。
サブゼロ急熱法について
2013/01/31 16:23
ある熱処理会社のサイトに載っていたのですが、
応力による経年変形への対策の項目に
対策:残留応力を除去する
方法:低温焼なましを行う
:サブゼロ急熱法を行う
と、「低温焼きなまし」に並んで「サブゼロ急冷法」が挙げられていたのですが、何故「サブゼロ急冷法」が残留応力の除去になるのでしょうか?
某熱処理入門書には
「サブゼロ後に水中や油中で急加熱すると圧縮残留応力が発生する」
とありました。つまり
「圧縮残留応力で引張残留応力を押さえ込む事により、経年変化を防止する」
という解釈でよいのでしょうか?
でもそれだと残留応力の「除去」にはならないと思えてしまうのですが・・・
ただ、熱処理会社さんが違いを無視して同列にしてしまっただけなのか
それとも、私の解釈が間違っているのか・・・
あともう一点、そもそも「サブゼロ急冷法」により圧縮残留応力が発生する理由が分からないのですが、どなたかご教示いただけないでしょうか
よろしくお願いします
3カ所も間違えていますね・・・
×サブゼロ急冷法 → ○サブゼロ急熱法
スミマセンでした
質問者が選んだベストアンサー
残留応力はそのまま居続けてくれるなら悪さはしないです。
しかし経時的に開放されると変形になる。
SKD11などではサブゼロすると組織が不安定になることがある。特に高温焼戻しとの組合せ。これは変形よりも変寸として顕れる。
No.38868 SKD11の変寸について
http://mori.nc-net.or.jp/EokpControl?&tid=262616&event=QE0004
サブゼロ急熱法については
http://www.asahi-nets.com/term/index.html
アップ・ヒル・クエンチング
焼入れ部品の残留応力を除去する方法のひとつ。
焼入れのため急冷したものを-196℃ぐらいまでサブゼロ処理したのち、お湯等で急熱する。
急冷と逆の応力がかかり、焼入れ応力がキャンセルされることとなる
湯戻し温度ゆえ炭素鋼、低合金鋼が対象と思われ、SKD11などでは効かない聞かない?と思います。
>ある熱処理会社のサイト
>某熱処理入門書
ぼかす必要はないです。
SKD11でも焼戻しを複数回行うのが良いとされ、それはサブゼロ急熱法と同じような原理かもしれません。しかしゲージブロック熱処理では時間を掛けるが繰返しはやらない事例もあるようです。
>SKD11などではサブゼロすると組織が不安定になることがある
>変寸として顕れる
>サブゼロ時点でのマルテンサイト変態による寸法変化を差している
そうですが、資料にあるように緩やかに進行する経年変化です。
そうです。
サブゼロ+高温焼戻し の組合せでそうなることがあり、サブゼロ無しの低温焼戻なら無難。
資料にあるように対処法はあるが、詳しくない熱処理屋さんに任すと危ない。
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お礼
2013/02/01 16:05
回答ありがとうございます
サブゼロ急熱法については
>急冷と逆の応力がかかり
とあるので、やはり
焼き入れやサブゼロによる変態などの膨張応力を圧縮応力で安定させる
という「応力除去」よりも「応力の合力安定」的な処理だと認識しました
>SKD11などではサブゼロすると組織が不安定になることがある
>変寸として顕れる
こちらは経年変化ではなく、
サブゼロ時点でのマルテンサイト変態による寸法変化を差している
と言うことでよろしいのでしょうか?
さらなる回答ありがとうございます
もしかしたら私が回答に対する認識を間違えていたのかもしれないのでお聞きしたいのですが
>SKD11などではサブゼロすると組織が不安定になることがある
というのは、同条件の焼入れ・焼戻しで処理するとして、
サブゼロを行うと、行わない場合よりも経年変化を誘発する可能性がある
(この場合の変寸率はモチロン「サブゼロなし > サブゼロあり」)
という事でしょうか?
回答ありがとうございます
保持時間が短かい・回数が少ないといった高温戻しによる経年変化の誘発は理解できるのですが、
私の経験則と知識からは、サブゼロ処理で組織が不安定化するという事には疑問があったので、ここ数日調べてみたところ、インターネット上で次の2点を発見しました
・技術の森 過去ログ
http://vi.nc-net.or.jp/knowledge/morilog/detail/9420/
こちらで実験野郎さんが
>高合金工具鋼では高温焼戻しを施すと低温焼戻しよりも経時寸法変化が大きくなります。一般的な-70℃近傍のサブゼロ処理ではなく、-100℃以下、出来れば-150℃近傍の処理を複数回繰り返すことで、γRを徹底的に消失させて下さい。中途半端なサブゼロ処理はγR組織を不安定化し、経時寸法変化を逆に大きくします。
と書かれています。この意見は、サブゼロが中途半端な場合に限りですが、岩魚内さんが書かれている事と一致した意見だと思います
一方、
・山陽特殊鋼の技術論文(2006)
http://www.sanyo-steel.co.jp/technology/pdf/13_04.pdf
46頁(PDF2/7頁)3.1「サブゼロ処理および焼戻処理の影響」
を読むと
>-80℃以降の温度では残留オーステナイト量がほとんど変化しない
>-80℃以下の温度で存在する残留オーステナイトは化学的に安定していると考えられる
と、サブゼロに関する全く逆の意見が書かれています(試験材料はQCM-8ですが、SKD11改系統の高合金鋼ですから一定の判断材料になると思います)
こちらの論文の方が、今までの私の経験と合致しています
前述過去ログの実験野郎さんは、文章を読む限り研究や現場の熱処理に携わる方という印象を受け、
その方の経験からの意見ですから、実際その様な現象を確認されたのだと思いますし、
山陽特殊鋼の論文の方も、専門家の研究とデータに裏打ちされた公の論文ですから、
どちらが正しいのか分かりかねてしまう状況です
合金元素の偏在・焼入れ温度による残留オーステナイト量の差・加工等による潜在的内部応力の有無
など考えられる要因は様々ありますが、仮説を出すにも私の知識は足りないようです・・・
工業的には熱処理は下火になりつつありますが、学術的には冶金学はまだまだ発展途上の学問だと思います
私の知識の増強と冶金学の向上によって、将来、この問題に私なりの結論が出せる事を祈りつつ、この質問の締めとさせていただきます
本来の主題であったサブゼロ急熱法から論点がずれましたが
長々と付き合っていただき、ありがとうございました
2/8まで回答は締め切らずにおきますので、
まだ「こうではないか」という意見がありましたら、是非ご教示ください
それでは失礼します