放射率測定器のトレーサビリティー（国家標準）に関する疑問

ひと言で言ってしまえば、トレーサビリティを担保した放射率の「標準器」
が世の中に存在しないからだと思います。

放射率測定器を校正するには、例えば、ε＝0.9の標準器とε＝0.1の標準器
を準備しておき、両者の放射率を校正をしようとする測定器で測り、
標準器の放射率の値と、測定した放射率の値を比較して、その差が測定器の
仕様を満足するかを確認します。
このように、トレーサビリティが確保された標準器があれば、校正可能です
が、現実には存在しないということでしょう。

その理由は、いくつか考えられますが思いつくことを記します。
(1)需要が少ないから
(2)技術的に困難だから
(3)放射率測定器の測定波長範囲や、波長に対する感度特性などが標準化
　　されていないから

(3)の内容が標準化されていないと、放射率測定器の機種毎に標準器を準備
　しておかないと正しい校正ができないというような事態が発生します。

＞本当にこの世に存在しないのか？調べたい

ディープな世界に入り込もうとしているように思えます。
この森のようなQ&Aサイトで答えが簡単に得られるものではないと想像し
ます。
物理的な意味合いの理解からスタートして研究者の領域にまで入り込むか、
あっさり諦めるか、２択の判断をお勧めします。中途半端は得るものが
少ないでしょう。

今まで、製造メーカーにお願いして
製品寿命（部品の保守期間終了）以外では
トレーサビリティー（国家標準）が取れないことはありませんでした。
あと装置を外国に持ち出された場合なども断られる可能性があります。