CFRPの切削条件とは？

CFRPは超難削材で、コーテッド超硬エンドミルでも直ぐに刃先が
摩耗してしまいます。
摩耗すると、切れ味が悪くなり切削面にムシレが生じたり、繊維
が分断できなくなったり、積層部の剥離が発生したりします。

工具の寿命向上策として、超硬にダイヤモンドコーティングを施す
ことが注目されています。また、剥離を生じさせないような、刃形
の工夫も行なわれています。
ＵＲＬに一例としてカタログを貼っておきます。
この工具は受注生産品ですので、詳細はメーカにご相談となります。
ちなみに、日刊工業新聞社の「機械技術」誌の今月号(11月号)に、
このメーカが投稿した解説記事が掲載されています。

そこまでの時間とコストがかけられない．．．のであれば、安価な
コーテッド超硬エンドミルを複数本用意して加工することが最善です。
切削速度20～40m/min，送り0.05～0.08mm/toothぐらいが一応の目安で
しょう（切り込みは小さめ）。
エンドミルのネジレが大きいと、切れ味は向上するのですが、剥離も
生じやすいので、30度でよろしいかと。

なお、CFRPを加工すると微細な切屑が発生します。
これが皮膚に付着したり吸い込んだりすると健康上芳しくありません。
また、機械内部に入り込むと電機の故障が発生する恐れも有ります。
保護メガネ、マスク/長袖着用、可能であれば吸塵しながらの加工、
加工後の速やかな清掃も、心掛けて下さい。