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減速器の慣性モーメントとモーター選定について
2023/10/15 03:28
- モーターの選定では、必要トルクを計算する必要があります。必要トルクは負荷トルクと加速トルクに分けられます。
- 加速トルクは、慣性モーメントと角加速度の積で表されます。減速器を介すと、慣性モーメントは(1/n)^2に低下します。
- 減速器の慣性モーメントを考慮する場合、モーターに近い方に減速比が大きい減速器を持ってくると、総慣性モーメントが小さくなり、モーターの加速トルクが低下します。
減速器の慣性モーメントについて
2006/03/06 17:42
モーターを選定する際に必要トルクを計算しますが、
必要トルクは通常、負荷トルクと加速トルクに大別されます。
加速トルクは、慣性モーメントと角加速度の積で表されますが
この慣性モーメントは減速器を介すと、(1/n)^2に低下すると
文献で見ました。
これについてはなんとなく理解はしました。
さらに、減速器の慣性モーメントを考慮しようとしたところ
迷宮に入り込んでしまいました。
例えば、負荷とモーターの間に減速器をA、B2種類を介するとし、
A、Bそれぞれの減速比が100、5とし、慣性モーメントが
同じとします。
この時組み合わせとして以下の2パターンが考えられます。
組合わせ?:A+B+モーター
組合わせ?:B+A+モーター
(1/n)^2で慣性モーメントが低下するならば、減速器そのもの
慣性モーメントも(1/n)^2で低下すると考えられます。
したっがて、モーターに近い方に減速比が大きい減速器を
持ってきた方が、その前の減速器の慣性モーメントを
含めって(1/n)^2で低下させられるので、総慣性モーメント
が小さくなり、モーターの加速トルクが低下すると思われます。
すなわち「組み合わせ?」にした方が優位と考えられます。
この考え方はあっているのでしょうか?
個人的には、減速器の順番でモーターの加速トルクが
変動するのは納得できないので、詳しい方がいらっしゃいましたら
ご教授願います。
回答 (3件中 1~3件目)
おそらく,解り易い考え方を求めている事と思いますので説明します。
減速機の力を伝達する所に注目して考えれば自然に解る事なのです。
力を伝達するポイントにおいては、作用と反作用の力でこの力は等しいのでこの力をfとします。
原動機側のトルク,半径,イナーシャ,角加速度をそれぞれTd,Rd,Id,αd、負荷側はTl,Rl,Il,αlとします。
Td=Rd×f=Id×αd、→f=Id×αd/Rd
Tl=Rl×f=Il×αl、→f=Il×αl/Rl
従って
Id×αd/Rd=Il×αl/Rl
→Id/Il=(αl/αd)×(Rd/Rl)
ここで減速比nは
n=Rd/Rl=αl/αdですから
Id/Il=(1/n)^2になります。
言い換えると
I=T/αにおいて負荷側は角加速度αが1/n倍になり,トルクTはn倍になっていますので原動機側からみたイナーシャは(1/n)^2になる訳です。
解り易い説明だったでしょうか?
確かにシステムの重量等は変わっていませんが運動は全く変わってしまいます。イナーシャは運動にかかわる系ですから,運動エネルギーが変わってしまうと考えたら納得ゆくのではないでしょうか?
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すでに解は得ているかもしれませんが回答いたします。
回転運動のエネルギー Eの式
E=1/2Jω^2
ここで角速度 ω=2πN/60 に置き換えると
E=1/2J(2πN/60)^2となります。
この式で分かることは、回転エネルギー Eが一定なら
イナーシャ Jが大きいときは角速度 ωが小さく、イナーシャ Jが
小さいときには、角速度 ωが大きくなる。
多分、「イナーシャ一定」と言う前提を付けたにも拘わらず、
角速度 ω”だけ”大きくしたり小さくして計算したので、
モータ軸換算イナーシャが減速機の入れ替えにより、変わってしまう
結果になったのではないでしょうか。
計算式の話を続けて・・・
各軸のイナーシャと回転数を回転エネルギーに置き換えれば,
回転エネルギーは等しいから
1/2・J1(2πN1/60)^2=1/2・J2(2πN2/60)^2=1/2・J3(2πN3/60)^2
J1、J2、J3とN1、N2、N3は各軸のイナーシャと回転数
J1=J2(N2/N1)^2=J3(N3/N1)^2 となり、
これらの総和を求めれば全体のイナーシャをモータ軸に換算することが
できます。
考え方はその通りです
でも、実際にその方法で計算してみましたか?
そんなに手間の掛かるものでもないのでエクセルに計算式を作られる事を
お勧めいたします
そうすれば色々なパターンでの減速比も簡単に試すことが出来ます
でも、現実論的には恐らくは誤差の範疇かもしくは安全率の範疇でしかないと思います
サーボモータを限界まで加減速させて尚且つ最小ギリギリの容量を選定するなら
その意味は大きくなるでしょうけれど
量産品か一品物か
専用機か汎用機か
でも設計思想が変わりますから一概には言えませんけれど
よく見れば1/100と1/5の減速比の組み合わせですか?
減速機には出力トルクだけでなくて許容入力トルクと言うものもあります
モータ-->[1/100]-->[1/5]--[負荷]
とした場合
1/5の減速機がその入力に耐えうるものはかなり巨大なGD2を持つ物になりそうな気がします
お礼
2006/03/07 12:39
早速の回答ありがとうございます。
減速器の順番を入れ替えて手計算して比較はしてみました。
確かに、異なる計算結果になります。
しかしながら、どうも減速器の順番を変えると慣性モーメントが
変わるということが納得いかないのです。
直線運動の力の式はF=ma、回転運動の力の式はT=Iαになります。
mすなわち質量は不変の値です。
回転運動におけるmはIすなわち慣性モーメントになり、
慣性モーメントもまた不変の値だということになります。
減速器の順番を変えただけで、伝達システムは変わってないのに、
システムの慣性モーメントが変わってしまうのは上記の考え方から
すると納得がいかないのです。
減速器の減速比は説明のために適当に挙げた数値なので許容トルク等は
気にしないで下さい。