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冷間ダイス鋼へのサブゼロ処理によるリスクについて
2023/10/14 19:19
- 冷間ダイス鋼を使った抜き型のサブゼロ処理は、残留オーステナイトによる経年変化対策として有効である。
- しかし、抜き型に刃があり、金型表面に起伏がある場合は、サブゼロ処理によるクラックのリスクがある。
- したがって、サブゼロ処理を行う際には、金型の状態や処理条件に注意が必要である。
冷間ダイス鋼へのサブゼロ処理によるリスクについて
2006/12/13 10:05
冷間ダイス鋼(SKD11、DC53など)を使って抜き型を製作する場合、残留オーステナイトによる経年変化対策としてのサブゼロ処理の効果はある程度分かるのですが、抜き型ですので刃があり、相応に金型表面の起伏がある場合、サブゼロ処理によって、クラックが発生するなどのリスクはありますか?
質問者が選んだベストアンサー
冷間ダイス鋼(SKD11,DC53など)のサブゼロ処理は、焼き入れ後すみやかに、冷却することがポイントで、ご懸念されるごとくサブゼロ・クラック発生の危険を伴います。さらに、問題点としては、(1)通常の焼きもどし品に比し脆くなるので、靱性の要求される工具への適用は好ましくない。(2)また、サブゼロ処理後、高温焼きもどし施したものは、処理効果が不安定で、経年変化を抑制することが難しい。すなわち、高温焼きもどしによって、残存するわずかな残留オーステナイトが活性化し経時変化(マルテンサイト化)するものと考えられます。これらの対応策として、最近、普及してきた「安定化処理」技術が推奨されます。この方式は、520 -540'Cの2回焼きもどし処理後に400'Cの焼きもどしを追加するものです。コストや工数面でもメリットがあり、私の経験の一例では、DC53を用いた、大きさが50Tx300Wx500L程度のFB型ダイプレートに適用して十分な効果が得られております。詳細な資料については、メーカーに問い合わせをお奨めします。大同特殊鋼(株)工具鋼技術開発部 TEL 03-5495-1271, 以上。
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お礼
2006/12/18 16:33
大変助かりました。やはり靭性の低減とワーク形状が密接に絡むためリスクがあるということが良く分かりました。有り難うございました。
大変助かりました。やはり靭性の低減とワーク形状が密接に絡むためリスクがあるということが良く分かりました。有り難うございました。