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真空に入れるフッ素ゴムの洗浄方法について
2023/10/14 17:25
- 真空チャンバーにフッ素ゴムを入れる際の洗浄方法や適切な薬品について調べました。
- 特級メタノールでの超音波洗浄では達成したい圧力が得られなかったため、他の方法を考える必要があります。
- ゴム棒を加工する際には油を避けるべきです。
真空に入れるフッ素ゴムの洗浄方法について
2005/01/27 14:40
真空チャンバー内に,フッ素ゴムを入れることになりました。
フッ素ゴムの型番はFB780N(クレハエラストマー社)です。
設計の都合で,ゴム棒をカッターで10mm立方に切り,
ドリルで直径7mmの穴を空けました。
これを10個真空チャンバーに入れます。
真空チャンバーの容量は約20リットル,
ポンプはVarian社のTurbo-V70LP(40リットル/s)です。
達成したい圧力は10^(-8)Torr台です。
切削加工時に油を使ってしまったので,
当初,特級メタノールで超音波洗浄しましたが
それが悪かったのか10^(-5)Torr止まりでした。
加工もせず,洗浄もしないで購入した状態の
ままでゴム棒を入れた場合は10^(-6)Torr
まで行きました。
10^(-8)Torrを達成するには,何の薬品を使って
どのように洗浄すればよいでしょうか?
また,加工の際は油を避けるべきでしょうか?
どうぞご回答よろしく御願い致します。
質問者が選んだベストアンサー
10^(-8)Torr=10^(-6)Paですか。
ゴム入りでも頑張れば何とかなりますが。。。
高真空を検討する為には、
容積ではなく表面積が重要です。
チャンバーの材質と表面の状態から放出ガス量が推察できます。
ゴム材も同様に放出ガス量が推察できます。
その放出ガス量をポンプの排気速度で割った値が到達圧力の計算値となります。
まずは、チャンバー空の状態で到達しますか?
その次に、ゴムを入れましょう。
ゴムの放出ガス量が不明な場合は、
ビルドアップ(放置試験)で測定します。
空の時と、ゴムを入れた時の、メインバルブを閉めてからのチャンバーの圧力上昇を測定し放出ガスを求めます。
この値で理論的な到達圧力をまず求めましょう。
ここで、かなり難しいかどうかが判断出来ます。
最後に、ゴム材は洗浄するよりも、
真空脱ガスしてしまった方が良いです。
そのゴム材を使用する前に、加熱できる真空タンク内にゴム材を放置して、吸蔵されてるガスを放出させてしまうのです。
補足
2005/03/28 20:37
その後,フッ素ゴムに対して,真空を引きながら
ベーキング(130℃,合計70時間)を行ったところ,
使用する真空システムにおいて2*10^(-8)Torrまで
達成できました。
結論として,
フッ素ゴムを洗浄するには,イソプロピルアルコールに浸した
ベンコットで拭くのがよいそうです。
脱ガスの方法としては真空中でのベーキングが有効でした。
ベーキング温度は,120~130℃くらいが適当であると思います。
同じフッ素ゴムでも,グレードによって耐熱温度が違うので
あまり高温にはしないほうが安全です。
ありがとうございました。
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お礼
2005/01/31 11:53
ご親切なアドバイスを
ありがとうございます。
現在,空の状態で排気していて,
1.3*10^(-5) Pa まで到達しています。
またビルドアップにより放出ガス量は
Q=1*10^(-6) Pa m^3/s と求められました。
ゴムの放出ガス量はまだ調べていません。
次のステップとして,買ってきた状態のゴム材を
油を使わずに穴開け加工し,洗浄はしないで
チャンバーに入れて,放出ガス量を調べてみようと
思います。その後,ベーキングを試してみます。
進展があればまた報告いたします。