離型剤成分と巣

離型剤は主にハイプレ用のエマルジョン系とスクイズや層流用の無機分散系があります｡

エマルジョン系の離型剤はシリコーンオイルを主とする油分と界面活性剤で構成しており、それぞれ有機分である為、溶湯の熱を受けた場合分解してガスとなります｡
一般的に離型剤は水で数十倍から百数十倍に希釈される為、金型へ塗布する離型剤は殆どが水です｡型締め時に残った水と上記の離型剤の有機分がガスとして鋳造品へ巻き込まれ、鋳巣の原因になると思います｡
但し、高真空やPF(無孔性ダイカスト)などの鋳造法案を取り入れておられなければ、鋳込み時の空気の巻き込みが最も大きな原因となります｡
スクイズですと、低速充填の上、離型剤は熱で分解しない、無機の材料を配合している為、非常に鋳巣は少なくなります｡
因みに、鋳造品のガス分析を行うと、離型剤成分(油分)からくるガス成分は、CO、CO2、CH4、C2H6等で、水からくるガスは、H2、空気の巻き込みはN2で検知されます｡