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Oリングの寿命とは?
2023/10/13 05:24
- Oリングの寿命はどのように決まるのか?
- 油の種類、温度、圧力、変形量などからOリング寿命を計算する方法はあるのか?
- Oリングの寿命に影響する要素とは何か?
oリングの寿命について
2003/10/29 11:15
一般的にOリングの寿命はどのようにして
決まるのでしょうか?
使用する油の種類、温度、圧力、変形量、等から
Oリング寿命(摺動距離)を計算する方法は
ありますでしょうか。
回答 (2件中 1~2件目)
結論から先に言えば、求めておられるような寿命計算手法はありません。Oリングメーカに聞いても期待できる解答はないと思います。
その根拠ですが、以下に説明します。
一般的にはOリングの封止能力が維持されているかどうかで寿命を判定する以外にないと思いますが、実際には、個別の機器で実使用状態を模擬した実験的な検討以外には方法がないと思います。これは、封止能力の時間に伴う低下のメカニズムが、以下に示すように複数の要因が複雑に絡み合うことによります。
1.ゴムの材料特性変化
ゴムに連続した荷重をかけることにより、時間とともに永久変形が生じます。Oリングでは、常に圧縮荷重を受け続けることになります。永久変形の増加に伴って、シール面での接触面圧の低下によるシール性の低下が起きますが、永久変形の進展速度は荷重や温度、湿度、封止する流体の種類などによって大きく影響を受けます。
2.摩耗
運動用として使用する場合は、摩耗による封止能力の低下も発生します。しかし摩擦・摩耗現象は、一般的な数式として表現できるほど単純な現象ではありません。
Oリングに限定した上で、その摩耗速度を左右する要因を挙げると、例えば次のようなものがあります。
(1)Oリング接触部の表面粗さ、加工痕
同じ表面粗さであっても、加工痕の形態によってOリングと接触面の間での潤滑状態が変化し、結果的に摩耗速度に違いが現れます。
(2)接触部の表面硬さ
当然、低硬度では同じ使用条件であっても摩耗速度が速くなります。
(3)異物の有無
接触部に噛み込むおそれのある異物があり、それが非常に固い場合は、Oリング側だけでなく、接触面側も摩耗します。アブレシブ摩耗という現象のひとつで、これはOリングに異物が食い込んで保持され、Oリングの運動によって接触面側を摩耗させるという現象です。例えば錆の粉末やシリカなどが考えられ、イメージ的にはバフ研磨で金属が研磨できるという状況をイメージすればわかりやすいでしょう。
(4)スティックスリップ
自励振動という現象です。Oリングの運動が振動的でなくても発生する現象で、黒板にチョークをある角度と早さで押しつけながら線を書くと、 ”キーッ” という音が出ることがあるのと同じです。
この現象が発生するとOリングの摩耗進行を早めます。低速での運動で発生しがちですが、運動の速度や接触部での摩擦係数などで、発生するかどうかはいくらでも変わります。
ざっと考えられるところを挙げてみました。実際にはこれらが複雑に絡んでいるため、問題や条件の分離が非常に困難なのが現状です。実験的な寿命検討に頼らざるを得ない理由だと考えています。
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寿命は,計算できないと思います。
使用条件に対して,適正な材料を選定すれば,固定用では2年以上,回転用(摺動用)では半年以下になると思います。(経験から)
Oリングメーカのカタログから,おおよそは適正な材料は探せますが,一つの材料でも,配合成分によって,寿命は変わります。
もし,短寿命でお困りなら,Oリングメーカへ,使用状況を説明して,アドバイスを受けられたらいかがでしょうか。
お礼
2003/10/29 17:25
早速の回答、ありがとうございます。